豊楽寺はりまや分院

 

2025年竣工

この建物は、大豊に国宝の薬師堂を持つ豊楽寺様が、便利な場所で法事などが行える様はりまや分院を造ることになり、その設計をさせていただきました。
敷地は、はりまや橋商店街とはりまや橋公園に面し、またその二つをつなぐ通路が西側にあります。木の温かさを感じられ、お寺と商店が共存した雰囲気をイメージしました。
西側の通路はお寺の参道に見立て、建物は焼杉と白壁の構成で、境界までの少しのスペースですが竹で庭造りをしました。
商店街に来て頂いた方々に、気持ちよく歩いて頂きたいという思いからです。
また屋外に特別な空間として祈りの小路という仏像を置く空間を設けました。日々手を合わすことに、慣れ親しんで頂けたらと考えました。
エントランスホールは法事等に来られた方を暖かく向かえられるように木小舞の掛け込み天井としました。
そしてホール正面の壁は葡萄錆という色の塗り壁で仕上ました。
2階に法事を行う空間がありますが狭小地で、エレベーターのスペースが確保出来無かったため、このホールでのモニターによる参列が可能としています。
2階の法事を行う空間は、天井を設けず骨組みを見せることで木の温かさを感じ、そして開放的な空間としました。また中央にご本尊様を配置したシンメトリーな構成となっております。
これから高齢化社会が進んでいく中で、街の在り方も少しづつですが変化していくんだと思います。アーケード内にお寺が出来たことで、はりまや橋商店街がより良い形に変わっていくことを期待しています。